キュウちゃんがご近所さんの膝の上で、わが世の春を堪能しているように見えました。このような光景を飼主さんが見たら少しやきもちを焼かれるのではないだろうかと皆で笑いました。もう吾が声をかけても吠えることのなくなったキュウちゃんは人格が丸くなったともっぱらの評判です。

だいぶ高齢になりました。高齢と言えば、昨晩は知人の80歳の誕生日のお祝いを気の合った仲間で祝いました。本人は38歳だと言っております.しかし失礼ながら、80歳には見えませんが、お酒の量と足取りがその年齢を如実に物語っておりました。でも、楽しそうな（尤も毎日そうなのでしょうが）表情は人間も動物も同じであるような気がします。しかめ面より笑顔の方が優れてよいものであるということなのでしょう。大笑いではなく、いつも微笑を失わないような精神生活を心がけねばなりません。
ｱﾗﾝが『ほほ笑みたまえ』と言う文章の中でこのようなことを書いていました。『僕は不機嫌のことを言いたい。どんな不機嫌になっているかという事よりもむしろ、不機嫌から一体どういうことが生まれるかと言いたいのだ。我々の病気は大抵、礼儀正しさを忘れてしまったところから生まれているのだ、と僕は信じている。職業柄、動物を沢山見ていた【獣医だった】父は、動物は我々と同じ状況下に在りながら、同じように無理な行為に及んでいるものの、ほとんどが病気にはならないと言い、驚嘆していた。其れは動物は不機嫌になるということがないからだ。つまり我々のように思考の働きによって、イライラしたり、疲れたり、うんざりしてしまうということがないのだ』と。役に立つことのない不機嫌でありますから、キュウちゃんのように丸くなって穏やかに生きて行きたいものです。