不動産の写真を撮りに出かけました。望んでいるものぴったりの場所はいつもないのですが、それでも実際に現場に行ってみない事には顧客に紹介できません。

吾の散漫な性格のゆえに、当該の物件よりも隣の物件が気になるのはいつものことで、すべからくどのようなことに関してもそうなのですから、習慣と言うよりも性格の故だと自覚しています。銀杏を採るために植えたのでしょうか、比較的平らな場所に、手入されていると思われる銀杏の木々の土地が隣接していました。東北地方では雪が遅いと報じられていますが、伊豆も同様のようです。もう例年なら散っているのかもしれない紅葉した銀杏が見ごろでした。静かな環境でした。開発された別荘地に隣接する、従来からの家の有るｴﾘｱです。ちょっと好きな場所となりました。

『誰でもあの石工たちが暇を見ては自分の小屋を建てているのを見たことがあろう。石工達が石を一つひとつ選んでいるところを見ているはずだ。この楽しみはどんな手仕事にもある。仕事をしている職人は何かを作り出し、いつも学んでいるからだ。しかし、まったく機械的な作業は退屈を齎すばかりでなく、時には大きな混乱となることがある。職人が仕事の分け前に与ることが無く、ただいつも同じことを繰り返しているだけで、自分のやっていることから何も得ることが無く、それをもとにさらに学ぶこともないような時には。これとは反対に、やらねばならぬ事が次から次へと出てきて、一つの収穫が次の収穫を約束すること、これが農夫の幸福である。私が言っているのは自由な農夫、自律の野人である』『自分で作る幸福と言うのは決して騙されない。其れは学ぶことだから、そして人はいつも学んでいる』とｱﾗﾝが書いています。我自身の仕事はどうであったか・・と考える。少なくとも、現在の仕事がその様なものとなるように心の中では努力する必要があるだろう。但し、心の中だけに秘める必要もあるだろうと思う。